前立腺肥大とは?/症状
前立腺は、内側に内腺という組織があって、その外側を外線腺という組織が包んでいます。内腺の中央は尿道が貫いています。このうちの内腺の組織が増大し尿道を圧迫するために、尿道の出が悪くなるのが前立腺肥大症という病気で壮年以降の人に起こります。
はじめのうちは、排尿の姿勢をとっているのになかなか尿が出なかったり、尿の排出力が低下して尿線が細くなり排尿し終わるまでに時間がかかったりする排尿困難が起こって来ます。排尿のために、夜たびたび目覚めるようにもなります。次の段階に入ると、排尿し終わっても、膀胱内に尿が残るようになります。この時期になると第1期の症状が悪化するとともに、膀胱内に尿が充満しているにもかかわらず、尿がでないという状態も起こって来ます。第3段階になると排尿困難がさらに強くなり、膀胱に尿が充満し無意識に尿が漏れるようになります。この状態になれば、尿が充満してパンパンに貼った膀胱が、下腹部に触れるようになるのが普通です。この状態放置すると、尿路から腎臓に尿がたまり、腎臓の働きが低下してきます。また陽がたまっているために細菌が繁殖しやすく、膀胱炎などの尿路感染症合併するようになります。排尿困難は、必ずしも第1期から第二期と段階を踏んで進行するわけではなく一気に第3期へ進むこともあります。
原因/治療法・予防
前立腺は、思春期に急速に増大し年をとってくると萎縮するのが普通です。それなのに、なぜ内腺の過形成が起こってくるのか原因は分かっていません。
症状を軽くする薬物療法もありますが根本的に治すには手術療法が必要です。薬物療法としては、漢方薬、アミノ酸製剤、ホルモン剤などの薬物が症状を軽減する効果がありますが、肥大した前立腺を縮小させる効果は乏しいのが実情です。
薬物療法は、おもに病気の初期に行われます。尿の排出が困難となり、膀胱がパンパンに張っているような状態のときは、尿道から細い管を入れ、尿の排出をはかります。場合によっては入れたままにしておくこともあります。
手術療法としては、内視鏡に電気水をつけた切除鏡を尿道から入れ、前立腺の肥大した部分を切片にして、削りとる治療が行われます。
非常に大きく肥大した場合は、皮膚を切開して、肥大した部分を切除します。日常生活の中で注意すべきことは自転車、オートバイ、自動車などによって長時間陰部を刺激すると、前立腺に充血、むくみが起こって症状が悪化することがあるので短時間にとどめるようにします。
また多量の飲酒、香辛料などの刺激物の過剰摂取もよくありません。また便秘や下痢をしないようにも注意することが大切です。適度な性交や射精は支障ありません。
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