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健康診断の気になる検査結果の見方

健康診断を受けると、採血されたり、尿や便の提出を求められたり、血圧を測ったりといういろいろな検査が行われます。これらの検査は、どんな目的で行われるのでしょうか。
がん検診などの特定の病気を見つけることを目的とした検診は別として、会社や地域で行われる通常の健康診断は、本人が気づいていない、体の異常を見つけることを主な目的としています。その中でも、高血圧症、動脈硬化症、糖尿病などの成人病やガン、心臓病、肝臓病などの病気の兆候できるだけ早い段階で見つけるために行うのです。しかも、これらの病気の初期には、特別な自覚症状が現れません。そして病気が見つかったときには、すでに治療しても元の健康な状態へ戻せないほど進行していることが少なくないのです。これらの病気を初期のうちに見つけて、進行しないように適切な対応を考えようというのが健康診断の目的です。
健康診断の結果、異常値が出たからといってすぐに、成人病などに結びつくかというと、必ずしもそうとは言えません。
血圧測定や尿糖検査のようにその時の体調、精神状態などの影響で、一時的に異常値が出てしまう検査もあるからです。そういったことを踏まえて、総合的に正常と医師が判断することもあり得ます。
しかし、必要があると判断したときは、医師は再検査か精密検査を受けるようにすすめるはずです。
この検査をすすめられたら、大事をとって必ず受けるようにしましょう。
それがいちばん大事なことです。

肥満度

・正常値 肥満度10%以内

身長と体重を計測し、肥満度を算出して太りすぎかどうかを判定します。
まずはその人の標準体重を決めます。

(身長−100)×0.9=標準体重

標準体重が決まったら、次の式に当てはめて肥満を算出します。

(実際の体重−標準体重)÷標準体重×100=肥満度(%)

この計算で、肥満度が20%以上であれば太り過ぎ、10〜20%であればやや太り過ぎ、10%以内であれば正常と判定します。


血液一般検査

■赤血球検査
・正常値 赤血球数=男性420万、女性370万
ヘモグロビン=男性13.0〜16.5g、女性11.5〜15.0g
ヘマトクリットの割合=男性36〜48%、女性34〜42%

◆正常値より低いと貧血。ホルモンの異常、膠原病、感染病など。
◆正常値より高い。水分の摂取不足、激しい嘔吐、下痢、高地居住者など。慢性の心臓病や肺の病気、多血症その他。

■白血球検査
・正常値 4000〜8000
◆正常値より高い 感染症、炎症を起こす病気、アレルギー性の病気、血液の病気、膠原病、ホルモンの病気、代謝異常その他。女性は妊娠。
◆正常値より低い 薬剤の服用、感染症、血液の病気、膠原病、放射線障害など。

■赤沈(赤血球沈降速度)
・正常値 1時間値で男性10o以下、女性15o以下

血圧測定

■正常値 最大血圧139oHg以下、最小血圧90oHg未満
◆正常値より高い 高血圧
◆正常値より低い 低血圧

腎臓の検査

■尿比重
・正常値 1002〜1030

■尿タンパク
・正常値 (−=陰性)
◆陽性のとき 腎臓病、尿路の病気その他

■尿糖
・正常値 (−=陰性)
◆陽性のとき 糖尿病その他

■尿の潜血反応
・正常値 (−土=陰性)
◆陽性のとき 腎臓病、尿路の病気その他。心配のない血尿(激しい運動、腎下垂)

■尿沈査
・正常値 赤血球2個以下、白血球1〜2個以下 尿円柱0
◆正常値より多い 赤血球=腎臓、尿路、性器の炎症、尿円柱=急・慢性腎炎、ネフローゼ症候群など。

■尿素窒素(BUN)
・正常値 血液1dl中8〜20mg
◆正常値より高い 各種の腎臓病(慢性腎炎、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群など)や尿路閉鎖をおこす病気(尿路結石、膀胱がん、前立腺肥大症、前立腺がんなど)その他
◆正常値より低い 低タンパク結晶その他。女性は妊娠後期。

■クレアチニン
・正常値 血液1dl中0.7〜1.2mg
◆正常値より高い 各種の腎臓病(慢性腎炎、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群など)や尿路閉鎖をおこす病気(尿路結石、膀胱がん、前立腺肥大症、前立腺がんなど)その他


肝臓の検査

■血清ビリルビン
・正常値 血液1dl中 総ビリルビン0.2〜1.2mg直接ビリルビン0〜0.4mg
◆正常値より高い 急・慢性肝炎、アルコール性肝障害、肝硬変など。胆道閉鎖性疾患(胆石、胆管がんなど)血液の病気

■ZTT
・正常値 4〜12単位
◆正常値より高い 肝機能の低下。炎症系疾患その他。

■TTT(チモール混濁試験
・正常値 5単位以下
◆正常値より高い 肝機能の低下、膠原病など。

■ALP(アルカリフォスファターゼ)
・正常値 10単位以下(カインドキング)2.9単位以下(ベッシイ・ローリー法)
◆正常値より高い 胆道閉鎖性疾患(肝癌、胆管がん、胆石、膵がんなど)、骨の病気。

■コリンエステラーゼ(CHE)
・正常値 pH0.6〜1.2
◆正常値より低い 肝機能障害。貧血、栄養不足。
◆正常値より高い 脂肪肝その他。

■GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミラーゼ)
・正常値 40単位以下
◆正常値より高い 急・慢性肝炎、アルコール性肝障害、肝硬変、肝がんなど。心筋梗塞。

■GPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミラーゼ)
・正常値 35単位以下
◆正常値より高い 急・慢性肝炎、アルコール性肝障害、肝硬変、肝がんなど。

■γ‐GTP(ガンマグルタミール・トランスぺプチターゼ)
・正常値 男性は50単位以下、女性は30単位以下。飲酒常習者は100単位以下。
◆正常値より高い 飲酒による影響。肝がん、肝硬変、薬剤性肝障害、アルコール性障害、慢性肝炎の活動期。閉塞性黄疸を起こす病気(胆石、胆管癌など)。
*異常値の時の注意 飲酒常習者は、@日本酒にして1日3合以内の飲酒量にとどめる、A週2日以上の完全禁酒日を設けるなどの注意を守りましょう。

■LDH (乳酸脱水素酵素)
・正常値 400単位以下(慣用単位)。250〜350単位以下(国際単位)。
◆正常値より高い 炎症や壊死を起こす病気

■LAP(ロイシン・アミノ・ぺプチターゼ)
・正常値 200単位以下(LBNA法)。70国際単位以下(LPNA法)
◆正常値より高い 急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝がん、脂肪肝。閉塞性黄疸を起こす病気(胆石、胆肝がん、膵ガンなど。)女性は妊娠。

■血清総タンパク
・正常値 血液1dl中6.5〜8.0g
◆正常値より低い ネフローゼ症候群、ガンなど。栄養不足。女性は妊娠。
◆正常値より高い 肝硬変

■A/G比(アルブミン・グロブミン比)
・正常値 1.0〜2.0(塩析法)、1.6〜2.4(電気泳道法)
◆正常値より低い ネフローゼ症候群、肝硬変、慢性の感染症(結核など)。栄養失調。女性では妊娠。

■尿ビリルビン
・正常値 (−=陰性)
◆陽性のとき 閉塞性黄疸を起こす病気(胆石、胆管ガン、膵がんなど)、肝臓病。その他。

■尿ウロビリノーゲン
・正常値 (±弱陽性)
◆強陽性のとき 溶血性貧血、肝臓病など。
◆陽性の時 閉塞性黄疸を起こす病気(胆石、胆肝がん、膵がんなど)その他。

糖尿病の検査

■血糖値(空腹時血糖)
・正常値 血液1dl中、毛細血管全60〜100mg 静脈全血70〜110mg
◆正常値よりも高い 糖尿病。熱の出る病気、ホルモンの病気、降圧利尿剤の服用その他。女性は妊娠。
◆正常値より低い 血糖降下剤やインスリン使用中の誤り甲状腺機能低下症その他。

■HbA1、HbA1c(グリコヘモグロビン)
・正常値 血液1dl中、HbA1 5〜8% HbA1c4〜6%
◆正常値より高い 糖尿病、腎不全、溶決血性貧血、インスリノーマ

代謝系の検査

■総コレステロール
・正常値 血液1dl中130〜250mg
◆正常値より高い 動脈硬化症。高血圧症、糖尿病その他。女性は妊娠。
◆正常値より低い 肝機能低下、栄養失調など。

■中性脂肪(トリグリセライド)
・正常値 1dl中30〜150mg
◆正常値より高い 動脈硬化。糖尿病、痛風、甲状腺機能低下症その他。
◆正常値よりも低い 甲状腺機能亢進症、肝機能低下。

■HDLコレステロール(HDL-C)
・正常値 血液1dl中40〜65mg
◆正常値より低い 動脈硬化症、肝機能低下。

■LDLコレステロール(LDL-C)
・正常値 血液1dl中80〜120mg
◆正常値より高い 動脈硬化症

■血清アミラーゼ
・正常値 100〜200単位(ブルースターチ法)、60〜250国際単位(酵素法)
◆正常値より高い 急性膵炎、慢性膵炎、膵がん。唾液腺の病気(耳下腺炎など。)胆道系の病気(胆のう炎など)その他。
◆正常値よりも低い 糖尿病など。

■尿酸
・正常値 血液1dl中成人男性3.0〜7.0mg。成人女性2.5〜6.6mg
◆正常値より高い 痛風。腎機能低下、糖尿病、高血圧症、降圧利尿剤の服用など。

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