慢性白血病とその特徴
未熟な細胞ががん化して急速に増殖する「急性白血病」とと違って「慢性白血病」では増殖のスピードも急性白血病より緩やかで、がん化した白血病細胞が、まだ細胞としての働きと成熟する能力と残しています。
そのため、「急性白血病」とは異なり、その経過もゆっくりしたもので、初期でもほとんど症状がなく、数年間は症状が出ない事も多く見られるのが特徴です。
初期でほとんど症状がない時期を「慢性期」といい、まだ白血病細胞の数も少ないため、抗がん剤で簡単にコントロールする事ができます。
しかしながら、約4・5年前後で「移行期」に入り、抗がん剤で白血病細胞の増加を抑える事ができなってしまいます。
その結果、「急性転化」という状態になり、「急性骨髄性白血病」と似た症状になります。
慢性白血病ではこの急性転化をいかに防ぐかが、治療の最大のカギとなります。
また、慢性リンパ性白血病の患者さんにおいては、もともと免疫力が低下している事により、容易に重い感染症が引き起こされる事もあります。
慢性リンパ性白血病においては、症状の改善を目的に化学療法を行われますが、白血球が多少多かったりしてもそれだけで障害が起きたり、急性転化の頻度が高いわけでもありません。
そのため、慢性リンパ性白血病の治療は、貧血や白血球が著しく増加するなどの問題がおきたり、それらの障害が明らかとなってから行われます。
また、リンパ節腫大や脾腫が著明となった場合、局所に放射線療法を行われる事もあります。 よく使用される薬品としては「フルダラビン」「サイクロフォスファマイド」があり、溶血性貧血を合併している場合などは、免疫抑制剤を使用することもあります。
逆に骨髄移植術を施行することは、稀で滅多にありません。