胃がんの症状
胃がんになった人の約半数は、胃部不快感または痛み、胸やけ、出血など何らかの症状がきっかけで発見されています。しかし、残りの人には特に自覚症状はありません。
また、症状があってもそれが上腹部の不快感、膨満感など「がん」以外の消化器の病気、例えば慢性胃炎や胃や十二指腸潰瘍でも見られるような、いわゆる「胃がんに特異的なものではない」ため、異常があってもそれほど気にならずに放置する場合が多くあります。
そのため、他の症状が出てきて病院に行った時には「胃がんが進行していた」という事も少なくありません。
症状の有無に関わらず、1年に1度は胃の検査を受け、胃がんの早期に発見に努める事が大切です。
また胃部不快感または痛み、胸やけ、出血などの症状が続く場合には早めに病院に受診し、胃がんの早期発見へと繋げていきましょう。
胃がんの体験者が一番初めに感じる自覚症状はやはりいつもと違う慢性的な胃の痛みや不快感・そして黒い便です。これらがいっときはおさまってもまた繰り返されると胃がんの場合かなり進行した状態であると言えます。
胃がんの主な症状
- 腹痛
- 胃の不快感、痛み
- 吐き気や嘔吐
- 食事後の胃部膨満感
- 体調不良、疲労感
- 食欲減退
- 体重減少
- 消化不良 あるいは 胸やけ
- 吐血または下血
- 黒色便
- 腹水の貯留
統計的に胃がんの治療を受けている方の約50%が早期胃がんで、その中の約50%は何らかの症状をきっかけとして検査を受けています。
早期胃がんにおいては、多くはがんと同じくして「潰瘍」ができるので、そのための胃部不快感、痛み、出血などが病院を受診し検査を受けるきっかけとなります。
胃がんが進行すると症状としては、食事が通らない、食物がつかえる、胃が重い、体重が減るといったものが出てきます。
またがんからの出血により貧血が進み、そのために動悸や息切れ、疲れやすさが生じることもあります。その他の症状としては吐血や下血があります。
中でも下血は、鮮紅色の場合と、墨のような真っ黒な色の場合があります。鮮紅色の場合は、肛門に近いところの出血が考えられ、逆に真っ黒な色場合は胃からの出血などのように肛門から距離のある所からの出血で、これらの便は「タール便」「黒色便」と呼ばれます。
これは胃がんが進行したことでがん(腫瘍)からの出血することにより起こる症状です。こういった出血症状が進むと貧血の症状も出てきます。貧血による症状としては、運動時の息切れ、疲れやすいなどの症状などがあります。
そして進行が進みがんが大きくなることで、腹部で「しこり」として触れたり、食べ物が飲み込みにくいなどの症状が現れることがあります。 そして、全身が衰弱していき腹水が溜まる事もあります。
胃がんと腰痛
胃がんと腰痛というと関係がなさそうですが、末期の胃がんになると骨に転移して生活に支障をきたすほどの痛みを伴う場合があります。これが転移しやすい場所として腰の付近の骨ということで胃がんと腰痛の関係に関する情報が多くなる原因です。
痛みがひどくなった場合は進行性のがんとの診断となり原発がんの進行にかかわらずステージは4程度は確定となります。
この場合の治療としては放射線治療やビスホスホネート製剤を使用します。
放射線をもちいることによって痛みの緩和のほかに骨折の予防にもつながります。
またあまりにも痛みがひどい場合にはモルヒネを使用したり、痛みどめも使用します。