腎臓がんとは?
腎臓がんは全てのがんの中で、比較的稀ながんとされています。
腎臓がんは大きく二種類に分けられます。1つは「腎細胞がん」、もう1つは「腎盂がん」です。
「腎細胞がん」は、腎臓本体、尿細管内から発生するがんで、一般に言われる腎臓がんはこのタイプです。他にも腎がん、腎細胞がん、腎腺がんとも呼ばれ、腎臓にできるがんの約9割を占め、腎臓がんというと大抵、この腎細胞がんをさします。
また腎盂、尿管、膀胱、尿道の一部にできるがんは「腎盂がん」になります。腎盂がん、尿管がんと呼ばれていますが、殆どはは前の「腎細胞がん」と違い、膀胱にできるがんと同じ種類の「移行上皮がん」と呼ばれ、区別されます。
この2つの腎臓がんの分類の他、約50歳以上に多い悪性腫瘍と小児に発生する「ウィルム腫瘍」があります。
日本人の腎臓がんの患者の数は毎年増加傾向にあり、年間で腎臓がんで死亡する人の数は約3000人以上とされています。
腎臓がんの患者の男女の比率は約3:1と男性が多くなっています。また年齢的には40歳以上で起こりやすくなってきて、発がん年齢は約60歳でかかるのが一番多いと言われています。
腎臓は体の中に左右に1つずつありますが、両方の腎臓にがんが発生する事もあります。
近年では腎臓がんの検査技術の進歩もあり早期発見が可能となってきた事により、腎臓癌患者の弱年齢化が進んでいる病気の一つともされています。 検診を受けるなどして、腎臓がんの早期発見早期治療を心がけましょう。
腎臓の基礎知識
腎臓は、腰の高さ、背骨の両側の位置に左右1個ずつある臓器です。大きさはおよそ握りこぶし程度で、ソラマメのような形をしています。
腎臓の働きとして、まず体の老廃物を濾過し尿をつくる機能があります。
体内を循環してきた血液が腎臓へ運ばれ、そこで体内の老廃物が濾過され、不必要なものを尿として排泄します。その為、腎臓には1日に約180リットル、ドラム缶約1本分という、とても多くの血液が運ばれてきます。
尿をつくるのは腎臓内にある「ネフロン」と呼ばれる組織で行われます。これは腎臓それぞれに約100万個程あります。
これらは血液を濾過し尿の原液を作る「糸球体」や糸球体が作り出した原尿を運ぶ「尿細管」などがり複雑な構造になっています。そして、「ネフロン」で作られた尿は、腎臓の一部の「腎盂」と呼ばれる中空の器官に集められます。
そこから長い「尿管」と呼ばれる管を通り、膀胱へと流れ込み、体外へと排泄されます。こうして作られ排泄される尿は、約0.8・1.5リットルです。成人でトイレに行く回数は平均で1日に約4~6回とされています。
他にも腎臓ではビタミンを活性化したり、血圧調整ホルモンを作ったり、血液を増やすホルモンを作る機能があります。