肝臓がんの症状
肝臓がんでは初期では特有の症状というようなものが出にくく、発見されにくいのが特徴です。がんが進行し、大きくなり初めて外から触ってとしこりとして感じたり、右上腹部に圧迫感を感じるようになります。
肝臓がんの場合は肝硬変も進行している状態が殆どですので、症状としては進行した肝硬変の症状と同じようになります。
つまり、一般的な食欲不振・体重減少・全身倦怠感・疲れやすい・微熱にくわえ、そして肝臓機能低下による腹痛・腹部膨満・腹水・黄疸が出てきます。他にも手のひらが紅色になるクモ状血管腫も見られる事があります。
さらに進行すると吐血・下血の他、意識障害などの症状も出てきます。
肝臓がんが腹膜に転移した場合、転移性腹膜炎を起こす事でお腹全体が張って硬くなります。また、肝臓がんがリンパ節、肺、骨、副腎などにも転移しますので、リンパ節の腫大やせき、血痰、骨痛などもみられることがあります。
よくある肝臓がんの症状と原因
- クモ状血管腫、出血傾向
- 食欲不振、全身倦怠感・疲れやすい
- お腹のしこり・腹痛・腹部膨満、腹水
- 黄疸
- 吐血・下血
- 貧血
- 便秘・下痢
- 意識障害
クモ状血管腫は手のひらが紅色になる症状です。また血が止まりにくくなる(出血傾向)もありますが、これらはがんにより肝細胞が破壊され、肝臓全体が萎縮してしまうことで肝機能が低下し血小板の数値極端に少なくなる事からおきます。打ち身や転倒など怪我にも注意して下さい。
肝機能が低下する事により、エネルギーの代謝や解毒作用といった本来の肝臓の働きが悪くなってくることによっておきます。こうした状態の時は良質なたんぱく質、ビタミン、ミネラルが多い 栄養バランスのとれた食事をとり、逆に脂肪分は減らすようにして下さい。その他、黄疸や腹水の有無によっても食事は変わってきますので、症状に応じて医師や栄養士に相談をしましょう。
他にも糖質や脂質の取りすぎに注意し、アルコールを控えは控えて下さい。さらには肝臓に負担をかける化学薬品(保存料、添加物、農薬、防腐剤、医薬品等) の摂取もできるだけ控えるようにして下さい。
大きくなった肝臓がんが右の上腹部(みぞおちあたり)にグリグリとしたしこりとして触れることがあります。 また肝がんが大きくなり破裂することにより出血してしまうと、腹痛を起こすこともあります。 肝機能低下がさらに進むことにより、血管やリンパ管から成分が漏れ出し腹水として腹部に溜まり、お腹も張ってきます。 そのため、腹水のコントロールも必要となってきますのでお腹の様子によく注意してください。
肝臓の代謝機能が低下することにより「ビリルビン」という物質が血液中の増え、手足や顔、白目の部分が黄色くなります。
肝臓が腫れたり肝臓がんによって血管を圧迫することで、肝臓へ送られるはずの血液が胃や食道などの他の静脈に大量に流れるようになると 静脈が大きくこぶのように膨らむ静脈瘤ができる場合があります。症状が改善されず、そういった静脈に血が大量に流れ続けることによって静脈瘤が破裂し、吐血や下血を起こし、命にかかわることがあります。
肝臓がうまく働かず、体内に酸素などを運ぶ大事な赤血球が壊され貧血になることもあります。貧血になることでめまいや冷や汗、脱力感などの症状もあわられてきます。
たまると、小腸や大腸に血液が流れ溜まってしまいます。それにより腸がむくんでしまうことで便秘や下痢の症状があらわれます。
肝臓がんが進行し、さらなる肝機能低下が進むことにより肝臓が体内の有害物質や老廃物を処理しきれなくなると、アンモニアなどの有害物質が血液の中に溜まり脳に運ばれ意識障害を起こします。これを「肝性脳症」と呼びます。