子宮がんの症状 わかりづらい初期症状
初期の子宮がんの症状は、自覚しにくいものと言われています。ちょっとした異変に気づくことが大切ですが、それが子宮がんのサインなのかどうかは自分ではわからないものです。
自分では一大事と思っていても、お医者さんに「たいした事ない」と言われてしまうこともあるかもしれません。実際にお医者さんに「気にし過ぎ」だと言われてしまった経験は、ある方も多いのではないでしょうか。
「気にし過ぎ」と言われてしまった経験があると、なかなかお医者さんにいけなくなってしまいます。
でも、子宮がんの症状は絶対に見逃したくありません。そんな時に、なにかできることはないのでしょうか?
それは、お医者さんとスムーズに話ができるように、準備をしていくということではないでしょうか。いつ、どんな状態のおりものがでたのか、それをしっかり記録しておくのがいいと言われています。
お医者さんは忙しく、毎日患者さんをみています。シンプルな言葉で的確にコミュニケーションをとることが、お医者さんにも患者さんにも必要とされています。
「たいした事ない」「気にし過ぎ」という言葉は、そういった背景から言われてしまうのかもしれません。しかし、言い換えれば「子宮がんの症状ではないようです、よかったですね」と言われたも同じことと、考えていいのではないでしょうか。
頸部、体部の初期症状
子宮がんの症状とは具体的にどのようなものなのでしょうか?
子宮頸がんの症状は、初期段階ではこれといったものはないようです。最初に気がつく異変は、出血だと言われています。生理ではないときに原因不明の出血があることを不正出血といいます。
体質によっては排卵日前後に微量の出血があることもありますが、それとは異なります。子宮頸がんの不正出血とは、ほとんどが性交渉のときに出るものだと言われています。
ただし、これは子宮がんの症状に限ったものではないので、他の病気の可能性もあります。
進行してくると、おりものが増える、腰や腹部に痛みを感じる、排尿困難、全身の倦怠感などが出てくると言われています。他の病気の可能性もありますが、まず異変に気がついたらお医者さんに相談して、あらゆる角度からみてもらうのがいいでしょう。
さて、子宮体がんの症状ですが、こちらも初期は無症状と言われています。そして同じく不正出血がみられ、悪臭のあるおりものなどがみられるようです。閉経後の不正出血は、異変に気づきやすいですが、閉経前だとただの月経不順と思ってしまい、放っておく可能性もありますので注意が必要です。
数少ない初期のサイン、見逃さずに病院で診察を受けることが大切です。
おりものの変化
子宮がんの症状のひとつとして、悪臭というものがあります。おりものの色や匂いがおかしいと思ったら、まず婦人科に行ってみましょう。
透明から白味がかっていて、やや酸っぱい匂いが正常なおりものと言われています。黄色、褐色(血が混じる)、緑色、うみがまじっている、などは何かしらの病気が考えられるでしょう。
進行した子宮がんの症状は、おりものの他に腰痛や下腹部痛、排尿が困難、さらに尿に血が混じる、排便障害、血便が出る、発熱や寒気、陣痛のような強い痛みなどとされています。
この状態の場合には、子宮だけではなく膀胱や腸に子宮がんの転移があるというサインの可能性があるようです。また、膀胱や直腸に穴があいてしまい、膣の中に尿や便が流れ込んでくることもあり、そうなるとひどい悪臭がすると言われています。
子宮がんの症状は、骨盤の中のあらゆる器官に転移しやすいと言われています。その後進行してしまうと、リンパに乗って全身にまわってしまう危険性があります。できるだけ初期のうちに発見することが大切なのです。
おりもののチェックが子宮がんのセルフチェックに有効と言われています。なかなか分かりづらいサインですが、がんを見逃さないためには大切なサインでもあるのです。
子宮体がんの症状 | 不正出血(月経以外の出血・閉経後の出血は注意) |
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子宮頸がんの症状 | 不正性器出血(性交時に出血しやすくなります)おりもの(帯下(たいげ))が増える。進行がんでは下腹部痛、腰痛、下肢痛や血尿、血便、排尿障害が現れる |
子宮がんの症状 | 閉経後(1年以上月経がない場合)や、閉経周辺時期の不正性器出血が特徴 |
早期発見で生存率は上がる
子宮がんの症状は初期には自覚がないことから、発見が難しいと言われています。しかし、それと同時に進行が遅いがんでもあるとも言われています。
そのため、早期発見であれば生存率は高いがんでもあります。
たとえば10年かかって自覚症状があらわれた子宮がんの場合、10年前から身体の中にあったということです。
40代で子宮がんの手術をしたとすると、10年前の30代の頃に子宮がんが発生していたことになります。かなりの年月一緒に暮らしてきたわけですから、その間に検診をうけていれば早期発見も可能だったのかもしれないということなのです。
自治体による子宮がんの検診・検査のサポートが、最近では20歳からうけられるようになりました。これによって、若い世代からのチェックが普及しはじめてきました。子宮がんの生存率をみれば、比較的治りやすい病になったことがうかがえます。特に子宮頸がんの検診・検査は見逃しが少ないことも分かっています。
子宮がんの原因、特に子宮頸部のがんには性行為がかかわっていると言われています。若い年齢層からの正しい知識と検診・診断が子宮がんの予防の一つです。また、結婚前に行うブライダルチェックなども有効と言われています。
その痛み
どの器官であれ、がんの症状はつらいものです。子宮がんの症状は、初期はわかりづらいものですが、進行していくにつれてがん特有の痛みを伴う事になります。
がん患部の痛みは早期でもみられ、末期であれば継続的に強い痛みが発生するといわれています。その痛みによって引き起こされるのが不眠症状や食欲不振、そして呼吸困難や全身の倦怠感です。痛みが強ければ強い程、精神的な負担も大きくなってくることが考えられます。
自分が子宮がんであると告知されている患者さんであれば、死への不安もあるでしょう。
家族との関係や、仕事の心配なども不安材料になります。子宮がんの治療はもちろんのこと、不安や痛みに耐えるためのメンタル面のケアが重要と考えられています。
子宮がんの生存率は比較的高いという統計が出ていますが、それでも自分は助かるのかという不安は決して無くなりはしないものです。子宮がんの手術は女性としての大切な部分を失うということでもあり、人生を大きく左右するという一面もあります。
最近の病院では精神的な痛みも含め、トータルでケアしていこうという試みがみられるようです。
「緩和ケア」と呼ばれる事もあります。まだ全ての病院でこの考え方が受け入れられている訳ではないので、事前に調べておくのもいいのではないでしょうか。
痛みのしくみ
がんの痛みとは、がんの病巣が固くなり周りを刺激することだと言われています。子宮がんの症状でも進行してくると痛みが発生することがあります。
子宮がんの転移が神経に近いところだった場合には、さらに痛みは大きく感じます。また、病状の進行によって身体が弱ってくると、皮膚などが炎症を起こして、さらなる痛みが発生する場合もあります。
感染症や炎症、さらには床ずれとよばれる痛みも発生するようです。
これだけの多くの痛みを抱えている状態では、本人の不安な気持ちがさらに痛みを強くしてしまうことが心配されます。不安が大きいときには、痛みが通常よりも大きく感じられる事があると言われているからです。
そこで、実際に神経に感じる痛みを、少しでも軽く感じられるようにしてあげることが必要と考えられています。
以前は「痛みは仕方のないもの」と考えられていましたが、今は変わってきています。患者さんの不安を緩和させるために、一刻も早く原因となる痛みを取り除いてあげることが優先されるようになったと言われています。
世界の医療現場でも、がんの痛みは早期に治療すべきと考えられるようになり、薬を安全に用いて痛みのコントロールをする方法をすすめているようです。
痛みのコミュニケーション
子宮がんの症状である痛みへのケアとして、患者さんが抱えている痛みの正しい把握が必要です。
「すごくいたい!」と本人が言っていても「いやになるくらいの痛さ」なのか「気絶する寸前の痛さ」なのか、受け手によって解釈が変わってしまいます。
痛みが顔に出やすい人もいれば、表情はおだやかでも実は相当我慢強い人もいます。まわりの人には伝わりづらいのが問題です。
そこで、痛みを評価するスケールが必要になります。
患者と医師、家族などが痛みのスケールを共有できれば対応もしやすいということです。病院によってはイラストで表現して、痛みがまったくない状態から堪え難い痛みまでを5段階から10段階にわけたものを使用してコミュニケーションを計るなどの工夫をしているようです。
子宮がんの治療にかかわる人の全員がこれを把握していれば、鎮痛剤の使用や種類を考えるのにとても便利だと考えられています。
実際にスケールを使用する際には、「過去に経験した痛みと比較して」というのが必須条件です。これでもかというほどの痛みを経験して、最大のスケールを示していても、さらに強い痛みをその後感じるようになったら「最大が更新された」ということになるからです。
子宮がんの治療の第一歩はそういったコミュニケーションにあるのかもしれません。
痛みを取り除くこと
痛みの尺度がわかれば、鎮痛剤などを用いるときの参考となります。さらにその痛みの具体的な内容を知る事ができれば、お医者さんも対応がしやすいと言われています。
例えば痛みが強くて眠れない場合、まったく眠れない程激しい痛みなのか、たまに目が醒めるくらいの痛みなのか、そこそこ眠れてはいるのか、など具体的に言えば違った情報となります。
子宮がんの症状の特徴として、痛みの原因が身体の奥のほうにあるために、実際に目で見ることが難しいということがあります。つまり本人の意見が大変に重要と考えられているのです。
たとえば、こんな動作をしたときに痛みを感じた、などという情報はかならずお医者さんに伝えなければいけないでしょう。
本人が忘れてしまう場合には、まわりの家族がよく話をきいて、お医者さんに伝えるようにするのもひとつの方法です。そういった日常生活からの発見で子宮がんの転移がわかることもあるようです。
以前は子宮がんの治療の痛みは耐えるものと考えられていましたが、今は変わってきているようです。
痛みはなるべく早く取り除くべきという考え方が、世界的に取り入れられてきました。痛みは我慢するためのものではなく、子宮がんの症状をしっかり把握する為のものだと考えるのもいいかもしれません。
子宮がんの症状 進行がんの場合
子宮がんの症状が進むと、食欲が減退し、体力が落ちてきてしまいます。体全体で病に立ち向かっている訳ですから、子宮がんの原因となる細胞だけではなく全身になんらかの症状が出てくることが考えられています。
闘病を続けた結果、身体全体の抵抗力が落ちてしまうことがあります。口の中が荒れてしまって口内炎になったり、ひどくなると飲み込みづらくなったり、さらには流動食しかのどを通らなくなってしまったりすることがあります。
子宮がんの治療ではそういった症状には点滴などで対応する事も考えられますが、しかし食べる事は患者さんにとって数少ない喜びや楽しみでもあるはずです。
病と闘うためには少しでも楽しみを残してあげることが大切だと考えられています。少しずつでも患者さんが食べたいと思うものを、食べたいときに食べさせてあげるのがいいようです。
プリンやゼリー、茶碗蒸しなどのやわらかいものや、飲み込みやすいとろみのついたものをすすめるのもひとつの方法かもしれません。
子宮がんの治療を受けているときに、患者さんによっては、味覚の変化という症状がある場合もあります。普段と違う味に感じるなどの変化は日によってかわるものなので、何度か試してみるのがいいようです。
子宮頸がんとめまい
子宮頸がんの抗がん剤治療の途中や摘出手術後にめまいが起こることがあります。これは原因は様々ですが抗がん剤の場合は副作用としてありますし、手術後は卵巣欠落症などによって起こる場合があります。
当然三半規管の以上や脳の疾病の場合もあるので注意が必要ですが、子宮頸がんの治療や途中や予後の場合に起こるめまいは少なくありません。
この場合はまず主治医に症状を伝えて検査を受けるのが大事になりますが、対応としては点滴によるめまいの抑制になると思います。
ほとんどの場合この治療でめまいはおさまりますがその後も繰り返される場合は注意が必要です。