子宮がんの転移 リンパ浮腫
子宮がんの転移で心配されるのが卵巣とリンパ節だといわれています。子宮がんの手術に伴ってリンパ節をとったあとに心配されるのがリンパ浮腫というものです。
これはむくみに似た症状で、脚の形が変形してしまうほどにむくみあがってしまうということもあるといわれています。
子宮がんの治療にあたっている患者さんにとってつらいこのリンパ浮腫ですが、この治療には保険が適応されないことがあるという問題があるようです。
手足の分岐点にある重要なリンパ節をとってしまう子宮がんの手術をうけた場合にこの症状が考えられます。
リンパ液の循環がうまくいかなくなってしまうことが原因で、ひどくむくんでしまうようです。
子宮がんの症状よりも認知度の低いこの症状は、人から理解されにくいという悩みもあります。女性として外見が気になってしまうことも心理的な痛みとなり、患者さんは一人で苦しまなくてはならないことが多いようです。
このリンパ浮腫はマッサージやセルフケアで改善されるということが分かっています。まわりの理解と前向きな姿勢でとりくめば、完治しないまでもかなりの改善はのぞめます。
まずは周りの方々がこのリンパ浮腫を知り、協力することが望ましいと思われます。リンパに働きかけるマッサージは治療としてはもちろんですが、しっかりとした指導を受ければご自分やご家族にもできるといわれています。
転移とは?
子宮がんの転移によって術後の治療が難航することがあります。そもそも子宮がんの転移とはどのようなものなのでしょうか。
子宮にあったがん細胞の勢いが強くなり、腹部などの子宮の付近にまでがん細胞が発生してしまうのが転移といわれています。
さらには血液やリンパ液にのって全身に移動してしまうこともあるといわれています。運ばれたがん細胞は、肺や肝臓に落ち着いてしまい、そこで大きく広がってしまうことも考えられます。
これは細胞の相性などと関係があると考えられています。
転移の可能性が高い部位と低い部位があることもわかっているようです。
子宮がんの手術によって、もともとのがん細胞を取り除くことに成功したあとに、これらの転移したがん細胞への治療が施されると考えられます。子宮がんの手術の際には付近の転移は切除されることがあります。
いっぺんに手術ができることから、卵巣やリンパ節などは取り除くことが可能です。
しかし、全身の細かい転移は、とりきれないほどの細かなものであるなどの状態が考えられるため、必ずしも手術が行われるわけではないようです。放射線療法や化学療法、ホルモン療法などを組み合わせて少しずつ働きかけることが考えられます。
ZARD坂井さんの場合
子宮がんの手術を受けた有名人に、ZARDの坂井泉さんがいます。
頸部の子宮がんの手術をうけた坂井さんは、順調に子宮がんの治療を受けていたそうです。ところが肺への子宮がんの転移がみられたことが後になってしらされたといいます。
そんななかでも歌詩を考えたり、散歩をして気分転換をするなど、彼女らしい前向きな姿勢で子宮がんの治療を受けていたと言われています。
そんなある日に、突然階段から転落して亡くなってしまったのです。
坂井さんは、負けないで、というフレーズが印象的な応援ソングで有名でした。闘病中の不幸に、ファンならずともショックをうけた人も多いこととでしょう。
子宮がんの転移が肺にまで達すると言うのは、がんが子宮から飛び出し血液なりリンパなりにのって運ばれた結果だといわれています。子宮がんの症状としてはかなり進んでいたことが考えられます。しかし、生存率の数字をみると可能性はゼロではないことがわかります。
子宮がんと闘いながらも、転落という事故であっけなく命を落としてしまったことは残念だと思わざるをえないでしょう。応援ソングでたくさんの人々を励ました坂井さんだけに、悲しみも募るのかもしれません。
卵巣転移について
子宮がんの転移で心配されるのが、卵巣だといわれています。以前は子宮がんの手術の際に、転移がみられない場合でも卵巣を切除するということが多かったようです。
完全に病巣を取り除くために、転移の可能性が高い部分は切除することが必要だと考えられていたからです。しかし、卵巣をとってしまうとその後の体調が乱れやすくなることが考えられます。
卵巣からの女性ホルモンの分泌が行われなくなることからのぼせ、ほてりなどの更年期障害に似た症状が出やすくなるといいます。
最近では卵巣の一部もしくは全部を残す子宮がんの手術が選択されることもあるようです。子宮がんの転移は骨盤の中に広がりやすいもので、腹部への転移は手術で取り除く場合が多いようです。
子宮がんの手術の際に取り出したリンパを病理検査して、子宮がんの転移を調べます。
ここで子宮がんの転移がみられた場合には全身への転移を疑うことになり、様々な方法で治療にあたることになるでしょう。
肺や肝臓、骨や脳なども考えられます。遠い部位への転移は、切除以外の方法がとられることが多いようです。手術で完全に取り除くことが出来るという骨盤内での転移と、それよりも上部への転移では子宮がんの治療は大きく異なってきます。
子宮頸部腺がん再発について
子宮頸がんの中でも腺がんは再発しやすいがんです。最近は子宮頸部腺がんは弱年齢化と増加がが目立ちます。また早期発見がしにくいこともあり問題が指摘されています。
一般的な子宮頸がんとの違いは、卵巣転移の頻度の多さが指摘されています。その際には子宮全摘や子宮頸部や膣の一部など切除するケースが多い。
卵巣転移は子宮頸部にできる腺がんの5~6%で腫瘍の大きさが大きくなればなるほどリスクが高くなり3割を超える転移の可能性もあります。
また子宮頸部腺がんは抗がん剤と放射線治療の効果が小さいのと腺がんの種類によっては再発のリスクを高める場合もあるので注意が必要です。 進行期にかかわらず手術を選択する理由はそこにあります。
しかし1期にまで発見して治療をすれば比較的予後はよく早期発見が鍵になります。
また生存率は低くはないが個人差があります。しかしリンパ節転移など子宮外への浸潤がなければ予後は格段に良くなる。
がんには様々な種類があるのでホストである個人の年齢や体質によって影響があるためあくまで個人が主治医としっかりと相談しまた最新の情報収集をしっかりしてセカンドオピニオンも視野にいれることが大事になってきます。
あまりにもがんが進行してしまった場合は無理に強い化学療法などをしないで緩和治療と延命治療に徹するのも良い選択である認識が広がっています。