前立腺がんとは?

前立腺がんとはなんでしょうか?

一言で言えば男性の前立腺にできるがんのことですが、その多くは外腺(辺縁領域)にできると言われています。 では前立腺とはなんでしょうか?

前立腺がんについて詳しく語る前に、まず前立腺について触れておきましょう。

前立腺とは?

前立腺とは男性だけにある部分で、機能としては精液の保護や機能の助けをすると言われていますが 実は前立腺の機能はわからないことが多くありすべて解明してあるわけではありません。

前立腺の位置は尿道を囲むようにして存在し、大きさは栗の実ぐらいです。 場所柄直腸に隣接していて、直腸から指で触れることが可能です。

前立腺自体は、大きく分けて三層構造になっていて辺縁領域、中心領域、移行領域とわけられます。 ある程度の弾力がありよく「みかんのような構造」をしていると言われます。

前立腺の機能は男性ホルモンの作用に影響されています。 前立腺の成長、また、前立腺に発生する前立腺がんおよび前立腺肥大症などの病気の進行にも、男性ホルモンが関与しています。

この男性ホルモンである“アンドロゲン”などのバランスが崩れることによって前立腺がんが発症しやすくなるのです。

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急増する前立腺がん

近年前立腺がんは増加していると数字が示しています。 それは日本という国が、超高齢化社会に向かっているのが原因と言えます。もともと前立腺がんは、高齢者の病気であると言われてきました。

60歳以上になると急激に患者数が増えることもデータから分かっています。

すでに高齢化社会を迎えている先進諸国ではがんの中でも前立腺癌が占める割合は非常に高いのです。

日本ではがん死亡のトップは肺がんですが、アメリカでは前立腺癌がトップなのです。 しかしやがて日本でも前立腺ガンでなくなる人の割合は高くなると専門家は言っています。

また、食生活の欧米化によって動物分野動物性蛋白質の摂取が多くなりそれが前立腺がんの増加に加担しているともいわれています。 まさに、現代日本の中高年世代の人は前立腺がんに気をつけなければいけないと言えるでしょう。

ですが前立腺がんは早期発見すれば非常に治りやすいがんの一つであります。

ではどうすれば早期発見することができるのでしょうか?

また初期にはどういった自覚症状があるのでしょうか?

そういった問題意識を持つことが中高年の前立腺がん対策になるといえます。 このサイトでは急増する男性の前立腺がんにせまります。

前立腺がんの小線源療法(ブラキセラピー)

前立腺がんの治療には外科手術にによる全摘手術や放射線治療などがありますが、患者さんに負担の少ない小線源療法(ブラキセラピー)という治療法があります。

これは放射線源を体内に埋め込んでがん細胞だけを死滅させるという方法です。

一見体の中に放射線源を埋め込むのは怖そうに思えますが、微力ののためがん細胞のみに作用して周囲の組織には影響がありません。

具体的にはヨウ素125という物質をチタンのカプセルシードの中に閉じ込めてそのカシードを前立腺がんにたくさん埋め込みます。

適性としては早期がんに有効で局所の前立腺がんに摘出手術と同じくらいの治療効果あるといわれてます。

手術は全身麻酔を行いますが、開腹手術にくらべて負担は少なく入院期間も約4日程度で済みます。

ただ性機能は多少落ちるでしょう。それでも初期の前立腺がんの治療として有効な方法の一つです。

緑茶が前立腺がんを抑制する?

よく毎日緑黄色野菜や果物をバランスよく摂取するとがんのリスクを抑えられるといいますが、緑茶も抗がん作用があると よく言われます。

はたして前立腺がんに緑茶は効果があるのでしょうか?

臨床実験では健康な人が緑茶を積極的に摂取しても顕著に表れる抗がん作用は認められませんでした。

しかし進行性の前立腺がんには発がんおよび増殖を抑えることが報告されています。

これは緑茶に豊富に含まれるカテキンによるものでがん細胞が増殖するプロセスの中でそれを抑制する成分の 活性をうながしたり前立腺がんの原因のひとつとされる男性ホルモンを抑制したりと総合的に前立腺がんの増殖を 明らかに抑制する作用が認められています。

すでに進行した前立腺がんの転移の抑制や術後の予後のため、また再発の心配をなるべく抑えたいときなどに 緑茶を積極的に摂取することは有効であると言えそうです。

そういう意味でいえば健康な人が日々緑茶を愛飲することは、臨床的に顕著なレベルまで認められなくても 他の良いとされている習慣と併用すれば総合的にがんの抑制の一助にはなりそうですね。

乳製品をとりすぎると前立腺がんになる?

欧米や日本のデータには乳製品やカルシウムと前立腺がんとの関係を調べたものがありますが、その結果には 乳製品をとりすぎると前立腺がんのリスクが高まるという結果がでました。

牛乳やチーズ、ヨーグルトといった普段良く食べる食品ですが、高齢の男性の場合あまり乳製品は食べないほうが 良いかもしれません。

しかしリスクとともに健康にプラスになる重要な栄養素も含んでいることも確かなので絶対に禁止する といったことではないでしょうがデータ的には1.6倍程度のリスクの増加が認められています。

またカルシウムや飽和脂肪酸に関しても同様に1.6倍程度のリスク増加が認められたようです。 しかしやはり身体にとってこの栄養素も必要であることには変わらないのでバランスが最終的には 大事になってくるでしょう。

しかし過剰に摂取する傾向や習慣のある高齢者はやはり意識しておく必要はあると言えそうです。 欧米型の食事を好む人で血縁者に前立腺がんの患者がいたりリスクが重なると罹患率は高まるでしょう。

前立腺がんのホルモン療法後再燃に対抗薬

前立腺がんは比較的活発ではないがんですが、ホルモン療法の後がんが再燃して活発化するのもめずらしくありません。 そのときはホルモン療法も有効でなくなり、良い治療法はありませんでした。

その対抗策として新たにアビラテロンが注目されています。

ホルモン療法との併用でも治療後の再燃活性化の際でも期待が持てます。データ的にはPSA値が5割ほど低下 したケースもあります。

アビラテロンは男性ホルモンの一種を阻害することでPSA値の改善に役立つそうです。

前立腺がんの高密度焦点式超音波治療

前立腺がんの治療に超音波を使用したものがありますが、体への負担が少なく有効な治療法のひとつです。

そのひとつに高密度焦点式超音波治療(HIFU:ハイフ)があり、高エネルギーの超音波を発生させてそのエネルギーによって熱が発生します。

特徴は熱を発生する場所をコントロールができ、かつ他の組織を傷つけることなくピンポイントでがん細胞を照射できるところにあります。

前立腺がんの場合手術や放射線治療等もありますが患者さんへの負担や合併症の発症などリスクも多く理想的な治療法とまではいない点がありましたが高密度焦点式超音波治療ならば治療時の負担や期間も少なく合併症も少ないと言えるレベルです。

特に身体に傷がつくこともなく出血などもないことなどは結果的に入院期間も3~4日で済むことに貢献しています。

ただ問題としては保険適応ではなくすべて自己負担になり、実際のコストが80万~120万程度(医療機関によってバラツキあり)になってしまうので患者さんによってはコストがネックになる場合があります。

ただ負担と効果を他の治療と比較すると良いということで高密度焦点式超音波治療を選択する患者さんもコストを覚悟で選択する方も多いようです。

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前立腺がんの判定キットを田中貴金属が発表

前立腺がんの早期発見には定期健診がもっとも大事ですが、やはり忙しい日々を過ごしていると時間や手間を惜しむ考えも起こりがちです。

最近では自宅で様々な疾病の自己検診キットが存在してますが、田中貴金属から前立腺がん専門の判定キットが開発され発表しました。

使い方としては自分の血液を数滴使用して15分程度で判定できるそうです。

検出はやはりPSA値の測定でかなりの高感度で検出できるので早期発見に十分貢献できるそうです。

ある程度の年齢(40歳程度から)になったら前立腺がんの定期健診を受けたほうが良いですが忙しい人は自宅でも判定が可能なキットを利用するのもひとつの方法かもしれません。

前立腺がんの予後で気になる尿漏れ

前立腺がんの手術の予後でかならず問題になるのが患者さんの尿漏れに関することだと思います。

個人差はあると思いますが、まったく尿漏れがなくカテーテルを抜いて即通常の排尿生活に戻る人もいます。

ですがほとんどの患者さんは尿漏れを体験してしまいます。

尿漏れの頻度はちょろちょろといったものは少なくどちらかというとシャ―――っと勢いよくしかもほとんどコントロールできずに出てしまうのがほとんどです。

当然おしっこがまだ溜まっていない状態でもいきむことでちょろっとでてしまうこともあります。

多くの方が対応としてはオムツや女性用の生理用品を使用して対応していますがあまり本格的な外出に対応できる方法はありません。

当然日が進むにつれて回復してきますが、人によっては数カ月もかかる場合もあります。

また尿漏れ自体は安定しても血尿や濃厚な血液の付着もいきむときなどにしばらく確認できる場合が多いのでしばらくは女性用の生理用品は手放せないようです。

この手術による合併症ともいえる予後の症状は外照射・内分泌療法・外科手術に伴いますが、小線源療法には比較的少ないようです。

ただし小線源療法は実際に受けるまでタイムラグが生じる場合が多く病院にもよりますが、かなり治療を受けるまで時間がかかる傾向があり選択の狭さの原因になってます。

ですが尿漏れ等のリスクをなるべく少なくしたい場合の選択肢として有効であるといえるので進行度と待ち時間を考えてセカンドオピニオン等も考えるとも良いでしょう。

前立腺がんの組織検査

前立腺がんの検査には様々ありますが、ある程度疑いが強くなると組織検査を行います。

いきなり組織検査をすることはないですが、PSA値や触診・超音波などで疑いがある場合この検査に進みます。

組織検査は前立腺に針を直接刺すので、まず麻酔をしてから行います。

超音波検査機でがんの疑いのある部分に数か所から数十か所針を刺し組織を採取してそれを検査します。この針の数については医療機関や医師・患者さんの個人の容態によって変わってきますが通常では6か所程度から精度を上げるために増えていきます。

検査自体は30分程度で終わりますが、合併症として発熱や血尿・精液に血が混じる等などがあります。

血尿などは2~3日程度でおさまりますが基本的に激しい運動やアルコールは制限されます。

基本的には重篤な症状はないですが大事をとって数週間は注意が必要です。

組織検査の料金は平均して3割負担で1万数千円程度です。

前立腺がんの間欠療法の有効性

前立腺がんは基本的には進行が遅くコントロールしやすいがんであるといわれていますが、それが原因で予後が悪くなるケースもあります。

その理由は前立腺がん治療にホルモン療法が用いられると有効であるものの、完全に死滅しなかったがん組織が再燃し、ホルモン療法に耐性をつけて増殖し有効な治療法がなくなるからです。

そこでホルモン療法に耐性ができる前に一時的に治療を中断してある程度期間をおいてからまた治療を始める間欠療法が考えられました。

これは完全にホルモン療法に耐性ができるまでの期間が延ばせるとともに治療を休む時に副作用がないなど総合的にもメリットがあり予後の悪い悪性の前立腺がんへと進行する速度を緩める効果が期待できます。

具体的には治療を始めてからPSA値が下がりきったら治療を休みまたある程度数値が上がってきたら治療を再開して下がりきるまで行うといったサイクルを繰り返します。

この間欠療法の有効性はまだ完全に証明されていませんが、治療を休む時期においては副作用がない分QOLの向上があり実践している主治医と患者さんがよく相談して行うホルモン療法の選択肢のひとつではあるでしょう。

若はげの人は前立腺がんになりやすい?

フランスの研究チームが、20歳頃から薄毛になり始めた男性には前立腺がんになるリスクが高いことを発表しました。

この研究では30歳や40歳程度で薄毛が始まった人よりも20歳頃から薄毛が進行した人のほうが2倍ほど罹患率が高い結果となった。

あくまでデータレベルで本質論は明かしていないけれどもひとつの指標はあるのかもしれません。

男性ホルモンが活発な人は前立腺がんのリスクが高いことはわかっているならば、男性ホルモンが活発なひとは薄毛になる確立が高いという関係から考えると、単純ではあるが薄毛の進行が早い人の前立腺がんリスクも高いと言えるかもしれません。

この関係を利用して、若い頃から薄毛の人は前立腺がん検査で陽性の疑いのある場合、より積極的に精密検査を受ける要素としてひとつの指標とすることができそうです。

前立腺がんの放射線治療と副作用

前立腺がんの放射線治療は外科手術よりも体への負担が少ないことから選択する患者さんが多いけれども副作用やリスクもあります。では放射線治療の副作用にはどんなものがあるでしょうか?

放射線治療の副作用は全般的に軽い傾向があり患者さんも実際受けた感想としてかなり楽な治療でこんなものか?と感覚的にはあるようです。

実際の副作用には放射線治療によって違いがあり、小線源療法では尿機能の障害が多く具体的には排尿困難などがあります。また外部照射系の治療では血便や排便の不快感がります。

理由としては三次元やIMRTなどで対応したとしても照射の範囲に直腸や膀胱があり完全に避けて照射することは困難であることが挙げられます。

基本的に前立腺の周辺には大事な組織が隣接して組織があり治療の影響を完全に受けないことは不可能であるといえます。そういうことからいえばある程度の副作用は前もって学んでおき知識や気持で対応をしておくことが大事になります。

排尿機能障害は直後から尿がでにくい感覚があり数カ月でピークを迎えます。約半年程度で和らいできますが一二年はなんらかの感覚的な障害は残ります。

直腸の不具合としては血便や排便不快感が軽い症状として数カ月程度で快方に向かいます。ですがまれに数年たってから出血などある場合があるので経過を見ることが大事になります。

また性機能障害などは外科手術に比較すれば副作用は少ないですが、どうしても前立腺は精液などを作る機能のひとつをになっているので射精などの能力に影響があります。

また勃起機能などの障害もあります。特にホルモン療法を併用した場合顕著に機能低下の懸念はあります。

数々のガン患者を完治させてきた食事法