前立腺がんの転移について
前立腺がんは、骨や(脊柱と骨盤骨)リンパ節に転移しやすく、進行性前立腺がんの8割は骨転移していると言われています。骨に転移すると骨をもろくし、痛みや骨折を引き起こしたり、脊椎に転移したがんが脊髄の神経を圧迫し、まひが起こることもあります。
骨転移のメカニズムは原発がんから分離したがん細胞が血液やリンパの流れにのって転移します。骨に到達したがん細胞は 破骨細胞というものを活性化させて骨を通常ではありえない頻度で破壊させます。骨が破壊されるときに放出される細胞 増殖因子をテコにしてさらにがん細胞は一気に活発化します。
その増えたがん細胞がさらにそれぞれ破骨細胞を活性させ相乗的に悪性細胞が増えていきます。
骨転移を抑えるにはゾメタを使用して転移増殖の原因である破骨細胞の活性化を抑制して骨折や痛み、麻痺、高カルシウム血症などの症状を緩和遅延させます。
リンパに転移するとむくみなどが起こります。
PSA検査などで非常に高い数値を示した場合、前立腺と同時に骨や他の臓器に転移がないか調べる必要があります。
転移を起こしている場合ステージDとなるのでいきなり全摘出はぜず、まずは化学療法(抗がん剤)や放射線治療、ホルモン療法などを単独、あるいは併用して治療を行なうことが多い。
再燃性の前立腺がんは治療が難しいと言われてますが、進歩もしていて有効な抗がん剤も開発されてます。病院によってはより副作用のすくない抗がん剤を量や頻度で病状にあわせて順次治療投与していく方法を実践しています。
なぜ骨転移が多いのか?
前立腺がんもそうですが他のがんでも遠隔転移が起こるのは原発巣のがんの組織やかけらが血管やリンパの流れに乗って移動して何かのきっかけで新たな場所に癒着して増殖します。
血液細胞を作るのは骨髄でありここには血管が集中し多くの流れがあります。
骨の中にある骨髄は血管が張り巡らされ血液の流れが豊富です、当然がん細胞が流れ着く頻度も高くそのまま癒着して増殖する確立も高くなります。
前立腺がんに骨転移が多いのは骨髄細胞に流れやすいのと骨の組織に癒着しやすい特性をもっているからです。
重篤な症状の麻痺が起こる脊髄転移を起こしてしまうのはこういった理由があるからです。