肺がんの症状
肺がんの症状は病巣のできる部位によって変わってきます。大きく分けると肺門型とと肺野型によって症状は変わります。
肺門型はより気管支に近い部分にできるガンで、症状もでやすいです。咳や痰、または血痰、喘息のようなぜーぜーといった感じにもなり、なんとなく風邪にちかい症状です。
肺野型の場合初期はほとんど症状はありません。検診や人間ドッグなどでみつけないとわかりません。
ある意味ガンが進行して他の部位に転移して、その転移した場所の痛みや具合が悪くなってから原因が肺野型の肺がんだったということもあるのです。
それぞれの部位でも進行してくると、胸痛が現れてきます。これは肺がんが胸壁を侵し始めて、胸水がたまったりするためです。そのほかに疲労感や、食欲不振、体重減少などが起こります。
肺がんの初期症状
それでは特に、肺がんの初期症状とはどんなものでしょうか?
よく肺がん初期には無自覚で判定がしにくいといわれますが、実際そうです。しかし、肺がん患者に良く聞いてみるとたしかに微妙ではあるが普段と違う症状もあるといわれてます。
それは基本的に風邪に似た症状なのですが、なかなか治らない、風邪のときと違うところが痛む、痰が強い、しつこい、まただるくはないのに乾いた咳が続くといった場合呼吸器系のいつもと違う感じの症状は、危険信号といってもよいのではないのでしょうか
咳の場合長引く場合は要注意です。もちろん明らかに風邪によるものや喘息などによるものと断定している場合は良いですが咳だけが一ヶ月近く続き症状に改善が見られない場合は注意が必要です。
またタバコを吸うと極端に苦しい咳が出るなども要注意です。
痛みや不快感も局所と場所が変わったりすることがあります。肺がんの初期症状としてよく背中の痛みが指摘されますが痛みが背中に痛散する場合もあるようです。しかしこのような感覚は喫煙者であれば体調がすぐれない時など日常的に感じる事なので肺がんの初期症状と区別するのが困難です。
喫煙者やある程度の年齢の方は(40歳以上)、こういったいつもと違う呼吸器の違和感に敏感になることが大事だといえます。
肺がんの末期症状
肺がんの末期になるとどのような症状がでるのでしょうか?
人によっては余命3ヶ月と宣告されてもわりかし元気な人も中にはいるようですが、やはり肺に水がたまり呼吸が苦しくなるのは多いようです。
末期の場合容態が急変することも多く、風邪などをこじらせると命取りになります。いよいよ進行するとむくみや痛みが強くなり、食欲もなくなり衰弱してきます。
抗がん剤の副作用でも吐き気や体力を奪うので痩せてきます。この頃になると患者さんも苦しくなり、痛み止めやモルヒネを使うようになります。
人間は酸素を取り込めなくなると数分で死にいたるので、肺がん末期の方は突然呼吸が苦しくなり、なくなる方も多いようです。
肺がんへのモルヒネの使用について
どんながんでも末期には大変な苦しみと苦痛が伴います。そこで緩和治療として使用されるのがモルヒネです。
モルヒネは強い鎮痛作用があるのでがんもそうですが事故等での裂傷に対する痛み緩和にも使用されます、肺がんも鎮痛抑止には効果がありますが肺がん特有の呼吸の末期苦しさには呼吸管理が重要になってきます。
またモルヒネには耐性がつくので緩和のためには段階的に投与量が増えるのが通常です。最終的には精神的に痴呆や意識混濁等の状態になる場合があります。
それでも肺がんの末期の苦しさからの解放のためには仕方のない事と言えるでしょう。
本当に患者さんの苦しみを取り除きたいのであれば常に眠ってしまうほどの量のモルヒネや睡眠導入剤を使用して眠りながら最後を迎える選択もあります。
人間の呼吸困難からの壮絶死は見るに堪えない状況でもありますしなにより本人が一番苦しむので末期の緩和治療には家族や本人とよく相談してこういった選択肢も大事になってきます。
あくまでも本人と家族の考えは自由で尊重しなければなりませんが、何が何でも延命処置をするよりも尊厳ある眠るがごとくの最期を医療の力で選択するのも大事でしょう。
肺がんの症状まとめ
- 咳(慢性・なかなか治らない)
- 胸痛(肺野型)
- ゼーゼーとした呼吸音
- 息切れ
- 血痰(扁平上皮がん・小細胞過《いわゆる肺門型》)
- 声がかれる
- むくみ(顔・首)
- 高血圧(肺野型・小細胞肺がん)
- 頭痛(肺野型)
- 腰痛(肺野型)
- 肩こり
- 背中の上部の痛み
- 疲れやすい
- 食欲不振
- 体重減少
- 肥満・丸い顔・皮膚の色が黒い(小細胞肺がん)
- 血糖値が高い
- 神経・意識障害(小細胞肺がん)
各症状は肺がんの進行や発生した箇所・質によってかなり違いますのである程度の年齢でこれらの症状 が重なる・慢性化するといった場合は注意をしたほうがいいでしょう。