スキルス胃がんとは?

特殊な胃がんとして、特別な進み方をする「スキルス胃がん」があります。

早期胃がんであれば約90%以上が治る可能性があると言われています。

しかしながら、この「スキルス胃がん」は、他の胃がんと同じく粘膜から発生はするのですが、がん細胞が独立しており胃壁に潜り胃壁の中で広がっていきます。

そのため、粘膜の表面には変化をおこさないまま進行していくので、発見しにくく、進行も早いがんです。胃壁全体が硬くなって初めて診断がつき、診断がついた時点で約60%の患者さんに転移が見られます。

スキルス性胃がんは、胃がん全体の約10%の割合で、主に30~40代の女性に多くみられます。

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スキルス胃がんの初期症状

スキルス胃がんの初期症状ははじめは胃炎や胃の不快感といって一般的な胃の疾病と似たような症状から始まります。

しかし特徴的なのはやはり症状がぶり返したり、だんだんと症状の悪化や慢性化が目立つようになりどこかいつもの不調との違いを感じるようになります。

そしてある程度進行するとスキルス胃がんの広がりの速さから異常な満腹感になり最後は処理のしきれない膨満感に襲われます。

これは通常ならばゲップや消化などで対応できることが対応しきれなくなりゲップをしたくてもそのまま嘔吐してしまったり消化を待つ前にやはり嘔吐してしまったり激しい痛みに襲われる場合もあります。

食事の量も食べられなくなり体力も落ちてきて衰弱してきます。

スキルス胃がんの場合は進行するスピードが速いので慢性的な症状が出ている段階で我慢しているとあっという間に浸潤して予後が悪くなります。

普段とどこか違和感のある痛みや不快感が慢性的もしくは繰り返されたり、吐き気がある場合は早めに専門の医療機関で検査することが大事になってきます。

スキルス胃がんと抗がん剤

悪性の胃がんと言われるスキルス胃がんは抗がん剤を使用する頻度は高い。スキルス胃がんに使用する抗がん剤はTS‐1やシスプラチンでTS‐1はS‐1と呼ぶ時もある。

かつては5-FUをメインで使用していたけれども現在では組み合わせのひとつとして使用する時もある。

スキルス胃がんに使用する目的は様々で進行してしまったがん組織を縮小させて手術で全摘出の可能性を見出したり、術後の転移予防やすでに転移した可能性のあるがん細胞に対して縮小や死滅を目的にするなど、患者それぞれのケースによって目的は異なる。

ですが基本的にスキルス胃がんは予後が悪いので外科手術のみという治療は少なく大事をとって抗がん剤を使用する頻度は高いと言えます。

また段階的に効果を見ながら頻度を上げる場合と集中して投与する場合など患者さんや治療法によって様々な量・期間・組み合わせがあり主治医と相談しながらの治療となります。

副作用としては、骨髄抑制による免疫力の低下や貧血・肝障害や腎不全など重篤なリスクもあるので注意が必要です。