肺がんの転移

肺がんの怖さは、他のガンでもそうですが転移によって手の施しようがなくなることです。肺がんの転移は起こりやすくまた、他の臓器ガンからも転移しやすいのです。

なぜ肺がんは、転移したりされたりすることが多いのでしょうか?

それはガンというものが転移する場合血液やリンパを介在してガン細胞が移動するからです。

もちろん元々の腫瘍近辺にも転移しますが“代謝”をつかさどる血液やリンパの流れに沿ってガン細胞は転移するのです。

肺がんの場合、肺が酸素を体の隅々まで行き渡す役割があるのでより多くの血液による代謝頻度が高いため高転移に関与しているといってもよいでしょう。

また、ガン細胞は血液を新生させより活性化していくので肺がんの転移はより遠くの臓器にまで転移してしまうのです。

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肺がん脳転移

肺がんの転移で多いのが脳転移です。主に血液を介して脳に転移します。特徴としては頭蓋骨の下で脳を覆っている硬膜に転移します。原発のがんの治療成績の向上によって生存率があがり結果転移性脳腫瘍が増えています。

症状としては、けいれん、麻痺、感覚障害、人格変化、精神症状、ふらつきなどです。腫瘍が大きくなると頭痛、吐き気、嘔吐などの頭蓋内圧が高くなった時の症状が現れます。がん細胞が脳の表面を流れる髄液(ずいえき)のなかに転移すると、手足のしびれ、背中の痛み、首が硬くなるなどの症状が現れます。

治療は切除、ガンマナイフ、薬物療法などが考えられますが、最初にできたがんが治っているかどうか、少なくとも予後が6カ月以上期待でき、かつ転移性脳腫瘍がひとつである、または2個以上の転移があっても1回の手術で同時に切除できる場合に行なうことになるでしょう。

肺がんの骨転移

肺がんが転移しやすい場所のひとつに骨があります。ガン細胞は骨の独特の新陳代謝の機能の一つを利用して増殖します。

実は、骨には古い骨の破壊と新しい骨の合成で成り立っています。肺から血液やリンパから流れてきたガン細胞は、骨を壊そうとする細胞に働きかけそこにできたくぼみに侵食します。そしてさらに働きかけ増殖していきます。

肺がんから骨転移しやすい場所は、肋骨(ろっこつ)や胸椎、腰椎、骨盤、大腿骨など身体の中心付近の骨です。そして現実には複数の多くの場所に手にするものなのです。

肺がんの骨転移の症状は、腰や手足の痛み、神経麻痺、骨折、眠気やのどの渇きなどが起こります。これは骨自体を破壊し弱くすることや、脊髄に転移したり、圧迫されたりすることで様々な症状を起こすからです。

治療として、痛みには放射線治療や鎮痛剤、麻痺は脊髄の放射線や手術、骨折には強力な骨吸収抑制剤(ビスホスホネート)や放射線療法、骨折してしまった場合は手術で骨を補強・治療します。

肺がんの肝臓転移

転移性肝ガンは、消化器系(胃癌、大腸癌、膵臓癌、胆嚢癌など)からの転移が多いのですが、やはり全身に血液を介して酸素を送っている肺からの血液は門脈を通じて肝臓に流れ込むため肺がんからの肝臓転移も多いのです。

転移した直後は、無症状ですがやがて腹部にしこりを触れたり、黄疸、浮腫、全身倦怠感などがあらわれてきます。 肺がんで肝臓への転移は、血流による遠隔転移になるためほぼ全身にも腫瘍がまわっていると考えられるため全身化学療法が行われます。

非小細胞肺がんの転移場所

非小細胞肺がんは基本的に転移がしにくいがんですが、それでも転移がおこらないわけではありません。

まずはじめに転移しやすい場所はリンパ節です。これはほとんどの非小細胞肺がんの転移場所として多く結果的に手術法も確立されていてこの段階での切除・摘出による予後は良いほうです。

その次に転移しやすい場所としては骨があげられます。そのあとは小細胞肺がんと同じく脳や様々な場所に転移がおこります。

基本的に非小細胞肺がんは転移が少ないがんですが、やっかいなのはリンパ節からさらに転移がひろがり抗がん剤による化学療法を行っても効果がでにくいがんで遠隔転移した場合根治が難しくなる傾向があります。