抗がん剤と脱毛について
抗がん剤の治療を始めると、どうして髪の毛がぬけるのでしょうか?
それは抗がん剤の作用はがん細胞だけを死滅させるだけでなく、様々な細胞にも影響があります。
とくに分裂速度の速い活発な細胞に対する作用が強く、そのなかに毛根の細胞も含まれます。
毛根の細胞は比較的がん細胞よりも早いため、大量の抗がん剤を使用すると正常であってもダメージを受けます。 結果的に副作用として毛根細胞がダメージを受けて脱毛します。
脱毛の個人差
抗がん剤を使用すると必ずしも脱毛するとは限りません。
人によってはまったく症状がでない場合もあります。これは抗がん剤の量や組み合わせ、患者さんの状態によって様々です。
抗がん剤によっては強く使用しても脱毛が起こらないものもありますし、弱く使用しても脱毛が激しい場合もあります。
また、脱毛が始まる期間は大まかに言って投与開始から数週間程度で現れ体毛や陰毛・まつげ等も影響を受けます。
逆に新たに生えてくるには治療が完全に終わってから半年もあればかなり元に戻ります。
脱毛を高頻度に起こしやすい抗がん剤
- シクロホスファミド
- エトポシド
- 塩酸イリノテカン
- 塩酸ドキソルビシン
- 塩酸アムルビシン
- ドセタキセル
- パクリタキセル
抗がん剤を使用中の髪の毛のケアについて
では実際抗がん剤によって影響を受けて脱毛した場合、どのようなケアをしたほうがよいでしょうか?
まず見た目の問題としてほとんどの方が帽子や布製のキャップや医療用カツラを使用します。
また普段のシャンプーより低刺激のものを使用してやさしく洗い、ブラッシングやドライヤーも気をつけないと脱毛を促進する場合があります。
シャンプーの頻度は少なくする必要はなくどちらかというと清潔に保ったほうが良いです。