乳がんの症状

他のがん同様、乳がんも早期発見が大変重要です。

乳がんは他のがんに比べてゆっくり増殖するものが多く、乳がんの中には「小葉」または「乳管」の中だけに拡がり、「乳管」の外には拡がらない「非浸潤がん」「乳管内がん」もあります。

しかしながら、多くのがんは「乳管」と周囲の「基底膜」をつき破り「浸潤がん」となりに拡がっていってしまいます。

乳がんが体の各所に拡がると身体は正常に働くことができなくなり、ついには生命を脅かす事になります。 乳がんの症状を知り、早期発見、早期治療に繋げるようにしてください。

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様々な乳がんの症状

乳がんでよく見られる症状として「しこり」「乳頭から血液のようなものが出た」「乳房が痛む」の3つです。

ただし、乳がんの「しこり」も必ずしも硬いとは限らず、痛みの有無も個人によって様々です。 早期発見、早期治療のために以下の症状があれば、近くの乳腺専門医を尋ねてください。


【乳房のしこり】

乳がんは約5mm~1cmぐらいの大きさになると、注意深く自分で触ってみると「しこり」となってわかるうようになります。しかし「しこり」=「全てが乳がん」というわけではなく、乳腺症、乳腺炎、 乳腺線維腺種などでも「しこり」は見られるのでまずは検査を受けましょう。


【乳頭からの分泌物と痛み】

よくある症状に痛みと書きましたが、実際痛みも人それぞれで痛みがない人もいます。

また乳がんが乳頭からの分泌物についても血液の混じった茶褐色のもの、透き通ったものなどさまざまです。これらの分泌物が出ている場合は、分泌物が通ってくる乳管を調べ乳管内乳頭腫と乳がんとの診断をつける検査を受けることが必要です。


【乳房の皮膚の変化】

乳がんが乳房の皮膚の近くにくると、先に述べた「しこり」の他に皮膚がひっぱられて「えくぼのようなくぼみ」や、皮膚が赤くはれたり「ただれ」や「かさぶた」できたりします。

乳房の「しこり」ははっきりわからないが、乳房の表面の皮膚がオレンジの皮のように赤くザラザラになり、熱感や痛みなどがある場合「炎症性乳がん」と呼びます。

炎症性乳がんでは乳がん細胞が皮膚のリンパ管の中入る事でリンパ管が詰まり起こります。すなわち、炎症性乳がんはそれだけ全身的な転移をしやすいという事なので、この症状が見られる時には急いで病院に行き医師の診断を受けましょう。
【乳房近くのリンパ節のはれ】

乳がんは乳房の近くにあるリンパ節である腋窩リンパ節(わきの下のリンパ節)、内胸リンパ節(胸骨のそばのリンパ節)や鎖骨上リンパ節、鎖骨下リンパ節(鎖骨の上下のリンパ節)に転移を起こしやすく、これらのリンパ節を「領域リンパ節」と呼びます。

乳がんがここに転移することで領域リンパ節が大きくなってくると、リンパ液の流れが悪くなるため腕のむくみや、腕へ向かう神経を圧迫し腕のしびれがあらわれる事があります。


【遠隔転移の症状】

リンパや血液の流れにより転移した「遠隔転移」での症状は転移した臓器によって症状は違います。中には症状が全くないこともあります。

乳房の近くにあるリンパ節である「領域リンパ節」以外のリンパ節が腫れている場合、「遠隔リンパ節転移」と呼ばれ、他臓器への転移と同様に扱います。

骨転移では腰、背中、肩の痛みなどが持続し、体重などの負荷がかかる部位に転移し「がん」ができた場合には骨折をおこす危険もあります。

また肺に転移した場合は咳や痰が出たり、息が苦しくなることがあります。

肝臓の転移は症状が出にくくわかりにくいのですが、「がん」ができることにより肝臓が大きくなりお腹が張り、食欲がなくなる他、腹痛みや黄疸が出ることもあります。

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乳がんに症状の似ている病気

乳がんに症状のにている病気には、乳腺症や乳腺炎、乳腺線維腺腫などがあります。乳腺症は乳房のコリや痛み または乳頭からの分泌があります。

乳房が張ったり、しこりができるのは排卵後から月経のはじまるまでの時期に多く不揃いの場合がほとんどで 境目もわかりにくいものです。

乳頭からの分泌物に関してはさらさらしたものから白濁のものまで様々です。

乳がんの場合には茶褐色の場合があるので、注意が必要です。

乳腺炎の症状には赤く腫れたりうみやしこりがみられ痛みます。 乳頭が陥没しているひとには乳房にしこりができその下に膿がたまる乳輪下膿瘍という病気があります。

乳腺線維腺腫の症状はできるしこりがやや硬くこりこりとした特徴があります。 またさわるとしこりが動くのも特徴的です。

これらの病気の症状は乳がんと非常によく似ており乳がんと勘違いしがちです。ですがこういった自覚 症状がある場合は早めに専門の病院で診てもらったほうが良いでしょう。

乳がんの初期症状の例

若年性乳がんのケースで左乳房上部のしこりに気が付く。一年近く放置して、本人はまさか自分が乳がんではないだろうと思ってた。

しこりがある自覚はあったがなんとなく一年程度放置していた。

次第にしこりが大きくなってきて胸の一部分がへこんでくる。ここまできても本人は乳がんの自覚はなくたまたま知り合いの医療関係の人に何気なくしこりの話を世間話程度でしたところ強く検査を促される。

触診・マンモグラフィー・超音波検査・造影剤MRI・マンモトーム検査、1ヶ月後乳がん確定。この場合本人も若く普段の問題意識もないためしこりが確認できても放置してしまったこと、またある程度経過に変化があってもさらに放置していたのが問題になってしまった。やはり普段の専門医による触診が大事になってくる。


1年ほど前から左胸の乳輪より外側に小さなしこりがあり、生理の前になると乳腺が張りそれが痛みになっていた。

それほど気にはしてなかったが年齢的に市からの乳がん検診知らせがあったのでマンモグラフィー検査を受ける。

マンモグラフィーの結果で影がみつかりそのままエコー検査をする。エコー検査で5センチ以上のしこりと判明してさらに精密検査に進む。

より専門の病院に変えてさらに精度の高いマンモグラフィー検査を受ける。やはり左胸に放射状に広がる白い塊があり組織を採取して検査する。

その時にリンパの腫れも同時にあったのでリンパの細胞も採取して検査する。結果的に左乳房に非浸潤がんがあり転移は確定はしないが腫れがひどいので再度検査となる。

この段階でリンパの腫れがあるのでほぼ乳がんと確定。施術としてはしこりが大きい場合は乳房を切除するようになる。この時点でステージ3程度確定でさらに骨などへの転移を検査する。

本人の自覚が外部から確認できるしこりであっても同時にリンパの腫れがあったりすると、浸潤型の乳がんを内包してる場合があり、リンパや骨への転移まで検査しなければならない場合もある。やはり普段からの専門機関での定期健診が重要になってくる。


30代の女性で妊娠中。つわりがひどくもうろうとしている時、胸になんだか違和感を感じる。

手でさわってみると左胸に3センチぐらいのしこりが確認できた。

かなり違和感のあるしこりだったが、妊娠しているのでその影響だと勝手に思い込む。

妊娠の定期検査で不安を看護師に訴えたが指摘することはなかった。実際本人が相当の意思でしこり等の違和感を訴えないと看護師の対応は鈍くなる傾向があるという。いい悪いは別にして早期発見にはこのへんの本人の問題意識の差が結果につながるケースが後を絶たない。

また産婦人科と乳腺科の違いもあり、しこり等の心配がある場合ははじめから乳腺科を受診しなければならない。

結局乳腺科を予約し超音波検査。すぐに黒い影が発見され大学病院予約になる、本人的にはまだ良性と思っている。

大学病院にて再度超音波検査をして細胞診の予約となる。この段階では初診と前のデータの確認だけになるが医師の判断の中では相当の乳がん疑いがあった。

後日細胞診検査となりさらに結果がでるまで日にちが必要になる。結果的には悪性の腫瘍と告知になり、違和感を感じてから乳がん確定まで約一ヶ月かかる。

個人の都合や病院の予定にもよるが違和感発見からガン確定まで時間と手間がかかりその間にもガンは進行するのでやはり普段の問題意識と早い対応が早期発見と良い予後につながる。

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