肝臓がんと抗がん剤

一口に抗がん剤治療といっても、その使用方法により点滴や飲み薬による「全身化学療法」と肝動脈に直接針やカテーテルを通してがんそのものだけに抗がん剤を注入する「局所化学療法」とがあります。

現在の肝臓がんに対する抗がん剤療法の中では「全身化学療法」による治療の生存率も3年生存率で約3%前後と低く「局所化学療法」が主流となっています

「局所化学療法(動注化学療法)」についてはここ数年の間に行われ始めた治療で、一度の注入だけ行う方法と開腹手術により直接肝動脈にカテーテルを挿入または足のつけ根の動脈からカテーテルを肝動脈まで進めてカテーテルを留置し、おなかの皮膚の下に埋め込み抗がん剤を注入する方法とがあります。

しかしながら、今のところ効果の程度がはっきりしておらず、多くの場合は肝動脈塞栓術やエタノール注入などで治療ができない場合の方法として行われているのが現状です。

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よく使われる抗がん剤

肝がんで使われる抗がん剤には以下のようなものがありますが、これらは他のがんでも使われるごく一般的な抗がん剤です。

  • マイトマイシンC
  • 5・FU(ファイブ、エフ、ユー)
  • シスプラチン
  • アドリアマイシン
  • ファルモルビシン など

抗がん剤の副作用と症状

抗がん剤とはがん細胞が分裂し増える過程に働きかけ、細胞が成長できず増殖を妨害し死滅させるようにするお薬です。

但し、体の中で細胞分裂をし成長していくのはがん細胞だけではありません。そのため正常な細胞で、分裂速度の速い細胞の血液、口腔(口の中)粘膜、胃腸粘膜、毛根の細胞などは、抗がん剤の作用が大きく影響されるのです。

そういった細胞にも影響を及ぼした結果が副作用となり様々な症状となって現れてきますが、使用する抗がん剤の種類や個人差などによりその症状は様々です。

最も頻繁に現れる副作用としては

  • 吐き気
  • 脱毛
  • 白血球減少

これら3つですが、他にも体の蓄積の度合いから現れる症状も違ってきます。

抗がん剤の投与と副作用が現れる日数の目安

当日:薬物アレルギー反応、吐き気・嘔吐(おうと)、発熱、血圧低下、血管の痛みなど

約2・1週間目:疲れやすさ、倦怠感、食欲不振、吐き気・嘔吐、下痢

約1~2週間目:口内炎、食欲不振、胃もたれなどの不快感、下痢、骨髄の抑制・赤血球減少による貧血・白血球減少により感染しやすくなる・血小板減少により血が止まりにくくなる など

約2~3週間目:脱毛、皮膚の角化やしみ(色素沈着)、手足のしびれなどの神経症状、膀胱炎

このように現れる副作用で予測のつくものもありますので、事前に医師と相談し現れた症状に対して処方できるお薬、環境などを整えておくことが大変重要となってきます。

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