肝臓がんの手術

「肝臓がんの治療方法」で述べましたように、肝臓がんの治療方法では、腫瘍の大きさ、数また肝機能の状態により治療方法が選ばれます。殆どのがんと同じように肝臓がんにおいても早期段階においては根治目的で外科手術による切除術が選択されるのですが、それはその時の肝臓の状態により判断がされます。

主な外科的療法

1.部分肝切除

その名の通り、手術により悪い部分を切り取る方法です。全身麻酔で、開腹手術になりますので手術時間は手術の方法によって異なりますが、およそ3~10時間程度かかり約1ヶ月程の入院期間が必要となります。 但し、肝硬変なのどが進んでおり肝臓の機能が悪い場合、手術に耐えられないばかりか、手術後、残った肝臓がうまく機能せずに肝不全に陥る危険があるため手術はできません。

2.肝移植

肝臓がんになり、加えて肝臓自体が機能不全に陥った肝臓(肝不全)になってしまっている場合の治療法としては肝臓を入れ替える肝移植の方法しかありません。 肝移植には脳死肝移植と健康な人のドナーから の肝臓の提供をうける部分肝移植(生体肝移植)があります。しかしながら、いずれにせよ「適合する人が見つかるまでの時間的問題」と「適合するどうかの身体的問題」さらに保険適用外のため多額な費用がかかるので「金銭的問題」など様々な問題が出てきます。

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外科的切除術の適応条件

肝臓がんの切除術においては肝臓の機能的条件と肝がんの進行度の2つの項目を事前に考えなければなりません。 肝臓は体にとって大変重要な役割をもち、肝臓がなければ生きていけません。そのため、残る肝臓の機能が維持できないようでは手術をすることはできないことになります。

本来、肝臓の働きが正常で問題がなければ全体の約70~75%程度まで切除することは可能です。逆に肝臓の働きが悪いと残りの肝臓だけでは肝臓の機能を果たすことができず全く切除できない場合もあります。

これらのことにより、手術前には黄疸、腹水の有無のほか、血液検査などで肝機能の低下がどの程度であるかを調べ、画像検査(CTスキャンなど)から肝臓の体積をまず算出し、「切り取る予定の肝臓の量」が「切り取っても大丈夫な肝臓の量」を超えないように手術をします。それが超えてしまうようであれば、その場合は手術の適応外と言う事になり、他の治療を選択していかなくてはなりません。

肝臓がんの腹腔鏡手術

近年腹腔鏡を使用した患者さんに負担の少ない手術例が増えていますが、肝臓がんの部分切除もお腹を大きく開腹することなく終える腹腔鏡補助下肝切除術が多く施術されるようになりました。

腹腔鏡手術はとにかく体の負担とコストの負担が開腹手術に比べて軽く患者さんのメリットは計りしれません。

ただしこの手法は熟練した高度な技術と医療設備が必要で、どこの病院でも可能というわけではありません。

ですが、退院まで10日前後、手術の次の日にも多くの患者さんが立って歩けるなど心理的・肉体的な負担の軽さはやはり魅力的でしょう。

実際切開するのは腹腔鏡の浸入部分で5センチ、他の部分が1センチ程度が3~4箇所です。

普通の回復手術がどしても約一ヶ月程度を必要とするのに対してどれだけ開腹と部分の差の負担が違うのかが感じられます。

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